昨年、カプコンがゲーム開発者に向けたカンファレンスを大阪、東京で開催しました。
今年はオンラインでやるらしく、ワクワクしています。
今年の開催を記念して、いまさらですが、その時の体験をまとめようと思います。
昨年7月ごろ、開催の旨が公式からアナウンスされました。
カンファレンス自体は2019年に「バイオRE2」と「DMC5」をコンセプトとした、講演式のカンファレンスがありましたが、今回は実際にゲームエンジンに触れることができる体験型として開催されました。
僕自身CAPCOMさんの大ファンということと、「DMC5」の作りこみの良さと「MHR」のSwitch向けの最適化を可能にしたREエンジンに触れてみたいという気持ちで応募しました。
さて、応募してみましょう、、、、
さてさて、、、、
落ちた!!!!!!!!!!!!
うわあああああああああああああん!!!!!!!
ま、まあ東京行く旅費が浮いたと思えば、、
繰り上げ当選DAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!
というわけで行ってまいりました。
今回触れたREエンジンについて少し解説します。
REエンジンは2017年発売の「バイオハザード7」で使用されたゲームエンジンです。
強力なグラフィック表現とそれぞれの機能をモジュールにすることで、高品質かつ柔軟なゲーム開発を実現しています。
以降、カプコンでの標準エンジンとなり、「バイオハザードRE2」、「ストリートファイター6」、「デビルメイクライ5」、「モンスターハンターライズ」などの目玉タイトルにどんどん採用されています。
正直この文面だけでもなかなかの化け物じみているのですが、実際はもっと化け物じみていました。
※体験ブースは撮影禁止だったため、ブース説明のパネルを表示しています。
※全部は回り切れなかったので、一部のみ紹介します。(追記するかも)
ハンターを操作するのではなく、カメラを操作できるブースです。
加えてフィールドの壁の奥にいるモンスターの骨格(フレーム?)が見えます。
現在画面内で動作しているモンスターを目視で確認して、処理軽減を考えるそうです。
「ワールド」と比べて「ライズ」は生態描写が薄いものと思っていたのですが、バゼルギウスが鱗磨ぎをしていて、見えないところでも生物として生きていました。
「グラフィックもゲームシステムも完成に近い状態で遊べる」ものを「バーティカルスライス」というらしいです。
開発側以外にもゲームのイメージを共有できるだけでなく、社内からフィードバックももらえるメリットがあるそうです。
プロトタイプ版という認識でいいと思います。
このブースではなんとそのバーティカルスライス版の「バイオハザード ヴィレッジ」が遊べました。
全体的にバイオ4の序盤の雰囲気に似てて、RE4の布石だったのかなーと今思います。
また、ライカン戦闘時にハンドガンの弾が手に入りますが、1個しかありません。
対してライカンは無限に沸いてくるので先に進めることはできません。
基本的な操作を知りながら、ライカンの恐ろしさを知ることができて、「バイオヴィレッジ」がどういうゲームなのかしっかりとアピールできているなと感じました。
REエンジンでは攻撃のエフェクトをライブラリとして整備できるらしく、一度作ったエフェクトはほかの攻撃のエフェクトに使用することが可能なようです。
体験ブースでは「ラージャン」、「ヨツミワドウ」、「バサルモス」のブレスエフェクトが調整出来ました。
龍属性のラージャンのブレスに恐ろしさを感じました。
また開発当初、メルゼナは炎属性として制作されていたらしいのですが、イメージに合わせて開発終盤に龍属性に変更したらしいです。
エフェクトはライブラリを変えるだけでいいので非常に変更が容易だなーと感心しました。
カプコンが近年重視している点として、アクションゲームとしてのレスポンスの良さとモーションの自然さの両立があります。
アクションゲームにレスポンスの良さは第一に考えるものですが、その動きに違和感を感じさせないように工夫する必要があります。
特にバイオハザードはサバイバルホラーというジャンルで、動きに恐怖を感じさせることを重視しなければなりません。
体験ブースではドミトBBAドミトレスク夫人とベイラたちをコントローラーで操作出来ました。
何とゲームエンジンのRUNボタンまで押させてもらえました。
左スティックを押し込むことで、キャラクターを変更でき、右スティック?(操作方法忘れた)を押すことで、歩きと走りを交互に切り替えられました。
重要視しているだけあって、切り替え時のモーションに助走、ブレーキなどがどのタイミングでもかけられていました。
ただ作業工程自体はなかなか複雑で、自動化のむずかしさを感じ取りました。
近年のAAAタイトルによく採用される「オープンワールド」ですが、フィールドの構築には自動生成を用いているそうです。
そこから不具合や遊びやすくするため、修正を加えていくのですが、表計算ソフトなどを使って意見の共有をするところもあるそうです。
なんかすごい大変そうです。
シーンメモは、そういった意見をフィールド上に設置することで、直感的に意見を共有させることができます。
「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」のフィールド設計でも用いられた手法です。(ゼルダの方が恐らく先)
体験ブースでは実際に開発者の意見を見れるほか、自身も書き込みができました。
意見交換というよりも、タスク管理の意味合いが強いように感じました。
ただブレワイはフィールド上に立て看板のオブジェクトを設置していたのに対して、REエンジンはこれを標準搭載しています。
大規模開発で現れる強みだと思います。
書き込みの一部は公式サイトから確認可能です。
ゲームが完成した際に必ず行うビルド。
ここに関してREエンジンは化け物じみています。
まず、使用していないデータはビルド時に取り除かれます。
容量を減らすことが目的ですが、これにより没データの類が製品に含まれなくなります。
もう一つはREエンジン製ならばどのプラットフォームでもビルドを掛けられます。
最近発表されたios版「バイオハザードRE4」ですが、PC用に作成したものをios用にビルドするだけで完成します。
PS5用のものも、PS4向けにビルドを行うことも可能です。
これによりREエンジンで作られているものはマルチプラットフォームでの展開が非常に容易にできます。
モンハンライズがPC版やPS版を発表できる理由はこれです。
またDMC5SEのターボモードやバイオRE2もPS5版でフレームレート上限解放といった上位版の開発も容易です。
まさにMT frameworkの思想を引き継いだ後継エンジンと言えます。
アクションゲームは何度もプレイしてうまくなっていくように、いいアクションゲームも何度もテストしてよくなっていくものと僕は思っています。
そういった開発の手戻りは、工程を複雑化させますが、あえてそれに合わせる開発環境を整えるのはさすがだと思いました。
近年カプコンが、質の高いゲームを提供し続けられるわけにも納得がいきました。
シーンメモの書き込みを覗いていると、、、
あ、これ俺が書いたやつ、、、
DMC5めちゃくちゃ面白かったので伝えられてよかった!!!!!!